皆様お疲れ様です。ドクターサイクルでございます。
コロナ渦中ではございますが当ブログなどを見て下さりご依頼をいただく事もあり、ありがたい限りでございます。
今回はそんな当店の実力のほどを垣間見ていただこうと思います。
お題はシングルフリーのメンテナンスで。
変速無しのシンプルな自転車です。オーバーホールでご依頼いただきましたので分解出来るところは分解しますが、変速機も無く、ギアも前後1枚ずつですのでお掃除なども比較的楽ちんです。
で、今回ご紹介させていただくのはこの部品。後輪についているシンプルなギヤです。
こういうのも分解してメンテナンスいたします。
ただまあ全く触った事が無いわけではありませんが分解メンテナンスはあまりしない箇所なんじゃないかと思います。
まずは取り外しましょう。
このような工具を使います。
こんな感じでスッポリ収まります。ちなみに自転車の部品は年代、メーカー、車種やもろもろ色んな形状があってこの手の工具がいっぱいあります。もちろん全て揃えるなどとても出来ませんが、今回は手持ちの工具があってよかったです。
で、モンキーレンチを使って回してみましょう。フンッ!........
これで外れればいいんですが大概はガチガチに固くてまあ外れません。
まずモンキーレンチの方に力を入れるとギヤを抑えている工具がズレますのでこれでは力が逃げてしまってよろしくありません。
ですので工具をナットでズレないように軽く固定してあげましょう。これで力が逃げなくなります。
さらにモンキーレンチではなくジャストサイズ(1インチ)のレンチがあればより力が入ります。
無事に外れました。
で、分解していきます。
こんなんなってます。この細かい玉、自転車に使われる中では最小じゃないでしょうか?1/8インチサイズです。細かい....
この裏側にも同じ数がギッシリ(片側48ケずつありました)詰まっております。
安易に動かすと、このグリスだらけの玉がポロポロとこぼれ落ちていきます。
彼らを綺麗に掃除して新しいグリスを詰め治そうという事なんですがなかなかに面倒、大変そうです。
なにはともあれ慎重に取り外して、まずは掃除です。
こんな感じで新しいグリスを塗ってコツコツ玉を並べていきます(裏表で約100個)
この地味さは数ある修理、整備作業の中でも最高レベルではないでしょうか。
よし、片側出来ました。で玉を抑える部品を取り付けて裏っかわもやるんですが慎重にやらないとやっぱりポロポロこぼれたりします。
よし完成!と思ったらわたくし凡ミスをやらかしておりました。
ギヤの向きを裏表逆に取り付けておりました.......(-_-)
細かい仕組みなどは割愛しますが、このままだと漕いでも漕いでも進まない自転車が出来上がってしまします。
で、しょんぼりしながらまた分解します。するとさっき並べた玉が容赦なくこぼれおちていきます。
さらにはこの地味な作業、2周目の最中に玉を置いてるトレーをひっくり返してしまい、そんなこんなでこの作業を裏表計2回で済むはずが勝手に5~6回やっていたというお話です。
というやや残念な当店の実力をご紹介いたしました。こんな感じですがそれなりに色々やってますので。何なりとご相談くださいませ。
あとこれは負け惜しみとかではなく心の底から思うのですがよほど取返しのつかない失敗でなければ失敗はした方がいいですね!失敗して初めて実感できる事ってありますし。
失敗した時はもうほんまにがっかりしますが後々に「ああ、あの時に失敗しといてよかったな」と思う事が多々ありますので。なので何かやらかした際には気づくチャンスがあってラッキーだったと思うように心がけております。
とある先輩の名言(と勝手に思ってます)に「1回やれば2度としない失敗もあれば数回繰り返してやらなくなる失敗もあるし、何回やっても繰り返す失敗もある」というのがありました。
自転車業界とは関係ない人が言ってましたが自転車の仕事を始めて特に「ああ、そうやなあ」と感じております。
少なくとも僕はもうシングルフリーのギヤの向きだけは間違えません!
以上です。読んでいただきありがとうございました。
自転車修理・メンテナンス専門店
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