ドクターサイクル 店主のブログ

自転車修理・メンテナンスの専門店です。京都は四条大宮近くで営業中です。

失敗例。サスペンションフォーク。

お疲れ様です。ドクターサイクル店主でございます。

 

京都も緊急事態宣言だそうですね。心なしか人通りも減ったような、いつも通りなような。当店は一応通常通り営業しております。

※GW期間(4/29~5/5)は29日に臨時休業させていただき、あとは通常通りの水曜定休でございます。

 

で、今回は先日いただいたご依頼の紹介。恥ずかしながら上手くいかなかったお仕事です。

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このようなサスペンションフォーク(STRATOS MX-6とあります。)を取り付けてくれまいか?というご依頼です。未使用?みたいですがどこぞの倉庫で眠っていたのか結構旧いモノのようです。

基本構造としてココとココを外せばああなってぇ、ココにはオイルが入っててぇ...くらいはわかるんですけども当店あまり、いや、ほぼノウハウがありません。

 

そんな事情もお伝えした上で「勉強するつもりでやってくれていいよ」との事でしたので、リピーターのお客様という事もあり、お言葉に甘えてお勉強させていただこう。という感じでお引き受けしました。

 

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不安要素はオイルが漏れているのでシールを交換したいという事なんですが、こちらのSTRATOSというアメリカのメーカー。随分前に廃業しているらしく純正の補修部品は手に入らないであろうという事。

 

何かしらの規格品で代用出来るのかもわからないままですがとりあえず分解。

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25mmソケットやらインチ規格の六角レンチやら、やたらと手持ちのない工具が必要でした。勉強勉強

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ひとまず分解は出来ました。この金色の足の中にオイルがドバっと入っていてそのオイルが漏れないためのシールがあるわけなんですが、この段階でもうオイルまみれになっておりますので写真撮ってませんでした。

 

さてそれからどうしたものかと、ひとまず規格品からシールを探すにしても一旦装着されているシールを取り外してサイズなりを測らないといけません。

 

本来こういったシールの類はいったん外すと再利用しないのがセオリーかと思いますが規格品が見つからなければ再利用も止む無しかと考えながら慎重にシールを取り外します。

 

ええ、取り外そうとしたんですが樹脂製のシールが劣化、硬化?していたのか崩れ落ちました....

↓残骸です。

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 ああ....これで交換部品が見つからなければ詰みですね。もう後戻りは出来ません。

 

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 何か情報は無いかと英語の説明書とインターネットの海を彷徨いましたがめぼしい情報はなし。サイズの合いそうなものを取寄せたりしましたが上手くはまらずでした。

 

結果ロックショックスなんかに使われているスポンジリングを装着してみるとしっかりと収まりました。

 

が、しかしそもそも素材が違うのでどうなのかと思いながら組み立て。

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最後に説明書通りの規定量オイルを入れまして一応形にはなりましたが、オイル漏れは治りませんでした。

 

車体をひっくり返してしばらく様子を見てみた段階ではオイルが流れ出てくるわけではないのでシールが全く効いてないわけではないみたいですが、負荷には耐えられないと....残念ながらこれでは使えません。

 

 

念のためにMTBに詳しいであろう某ショップ様にも問合わせをさせていただいたりしましたが、互換品の情報は無く...

街乗りメインで性能を追い求めないのであればオイルを抜いてしまうのもナシではないとアドバイスをいただきました。

このような何の得にもならない問合わせに丁寧にお答えいただいたショップ様には感謝しかございません。ありがとうございました。

 

最終的にはお客様とご相談の上、そんなにハードに使うわけではないからと、オイルをほぼほぼ抜いた状態で納車という結果になりました。

 

と、いうわけで残念なお仕事をしてしまったというお話でした。年式の古い部品、特にサスペンションフォークなんかは要注意ですね...

 

今回はお客様や某ショップ様の優しさに助けていただきましたが、いつか取返しのつかない事をやらかさない為にも安請け合いは禁物です。反省いたします。

 

とは言え、こういった事を経てノウハウが構築されるのもまた事実です。

ご迷惑をかけるつもりはもちろん無いのが大前提ですので、「よし、勉強させてやろう」という方がおられましたならまずはお気軽にご相談くださいませ。

 

よろしくお願いいたしますm(__)m

 

 

【ドクターサイクル】

京都市中京区壬生賀陽御所町22-2

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