ドクターサイクル 店主のブログ

自転車修理・メンテナンスの専門店です。京都は四条大宮近くで営業中です。

発信。

お疲れ様です。ドクターサイクル店主でございます。

 

あれはいつだったか、とあるロックバンドのライブを見に行った時の事。

「探してもいないのに見つからないとか言ってんじゃねぇ!」的なMCをされていて、時々その事を思い出します。

 

その当時ワタクシも探し物をしておりました。

されどなかなか見つからず「なかなか見つからへんもんやなぁ」なんて思いつつ、そのMCを聞いて「ああ、ちゃんと探せてんのかな...」なんて思ったりしました。

 

で、結局探し物は見つかったのか見つからなかったのかよくわからないまま今日に至っています。

今になって振り返ってみると自分が何を探していたのかも明確ではなかったんだと思っています。そらぁ見つかりません。

 

 

ん?...なんの話?

 

 

別に意味はありません。すいません。

 

なんというかお店をはじめてブログやらSNSなんかも一応はじめてみまして「ブログ見て来ました。」「SNS見て来ました。」なんてありがたいお声をいただく事もしばしばございます。

 

そう、当店を見つけていただいたわけであります。

 

ワタクシなかなかに内容量の少ない人間でございますゆえ、積極的に発信したい事も少ないのですが、探しているお方には見つけていただきたいと思っております。

 

いや、というかせめて探している方に見つけていただかないとお店やっていけませんし。

 

なので発信をしないといけません。というお話でした。

ブログ、SNSなど薄めの内容になりがちですがぼちぼちやってますので、見つけていただいたあなた様のご来店、お問合わせをお待ちしております。

 

ではまた次回に。

 

【ドクターサイクル】

 京都市中京区壬生賀陽御所町22-2

(075) 366-8360

https://dr-cycle.com

※自転車に関する事ならお気軽にご相談くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お色直し。

お疲れ様です。ドクターサイクル店主でございます。

 

今回もいただいたご依頼の紹介を。カスタム事例です。

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今や小さなお子様の送迎に欠かせない観もある3人乗り可の電動アシスト車です。

 

ある程度お子様が大きくなると前には乗れなくなります。するとこのチャイルドシートがどうにもこうにも邪魔になります。やたら重いですし。

 

これを取っ払って普通の自転車みたいに出来ないか?という相談から始まったご依頼です。

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チャイルドシートを外すとこんな感じです。スッカスカになります。

ここにポンとカゴを取り付ける事も出来ます。普通に専用規格のカゴも売ってますし。

 

ただ今回は普通の自転車みたいにしたいという事ですので、そういう事ではありません。

 

このやたらどゴツいハンドルバーと専用のハンドルポストを普通のに交換して普通のカゴを取り付けるという事です。

 

ちなみに別件でご依頼には至らなかったのですが以前にも別の方から同じお問合わせをいただいた事があります。

ので、この改造ってやりたいと思ってる方が結構いてもおかしくないと思うんですけど、どうなんですかね?

 

やってる方をあまり見かけないですよね。カゴのみ交換している自転車はよく見かけます。

 

一応作業するにあたって気をつけなくてはいけないのがハンドルの高さでしょうか。

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 再び先ほどの写真です。

このタイプの自転車は前にチャイルドシートを取り付ける為に赤い印をつけた部分(ヘッドチューブ)が普通の自転車よりも極端に短いです。

 

 ですので普通の部品に交換すると場合によってはかなりハンドルの位置が低くなってしまいます。

 

なので基本的にはやや長めのハンドルポストを用意したり、多少は高さのあるハンドルバーを使う必要があると思います。

乗られる方の体格やお好みなんかも聞きつつ考えます。色々とご希望は伺ったのですが当初のご希望通りにはいきませんでした。

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で、こんな感じです。ちなみにこのままだとケーブル類がダルダルでみっともないです。元々大きなチャイルドシートを避ける形で配線されているのでかなり長めなのです。

 

ケーブルの取り回しを整理して

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カゴの取り付けをして

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完成でございます。

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 カゴはご要望によりWALDというメーカーのものを取り付けさせていただきました。

スポーツタイプの自転車、お洒落な街乗り自転車にはおなじみのカゴかと思います。

いわゆるもっとママチャリ的な感じのを使う事も可能です。

 

というわけで電動アシスト車のカスタムでした。フロントシートをお子様が卒業された際にいかがでしょう。

気になる事などございましたらお気軽にお問合わせくださいませ。

 

ではまた次回に。

 

 

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失敗例。サスペンションフォーク。

お疲れ様です。ドクターサイクル店主でございます。

 

京都も緊急事態宣言だそうですね。心なしか人通りも減ったような、いつも通りなような。当店は一応通常通り営業しております。

※GW期間(4/29~5/5)は29日に臨時休業させていただき、あとは通常通りの水曜定休でございます。

 

で、今回は先日いただいたご依頼の紹介。恥ずかしながら上手くいかなかったお仕事です。

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このようなサスペンションフォーク(STRATOS MX-6とあります。)を取り付けてくれまいか?というご依頼です。未使用?みたいですがどこぞの倉庫で眠っていたのか結構旧いモノのようです。

基本構造としてココとココを外せばああなってぇ、ココにはオイルが入っててぇ...くらいはわかるんですけども当店あまり、いや、ほぼノウハウがありません。

 

そんな事情もお伝えした上で「勉強するつもりでやってくれていいよ」との事でしたので、リピーターのお客様という事もあり、お言葉に甘えてお勉強させていただこう。という感じでお引き受けしました。

 

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不安要素はオイルが漏れているのでシールを交換したいという事なんですが、こちらのSTRATOSというアメリカのメーカー。随分前に廃業しているらしく純正の補修部品は手に入らないであろうという事。

 

何かしらの規格品で代用出来るのかもわからないままですがとりあえず分解。

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25mmソケットやらインチ規格の六角レンチやら、やたらと手持ちのない工具が必要でした。勉強勉強

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ひとまず分解は出来ました。この金色の足の中にオイルがドバっと入っていてそのオイルが漏れないためのシールがあるわけなんですが、この段階でもうオイルまみれになっておりますので写真撮ってませんでした。

 

さてそれからどうしたものかと、ひとまず規格品からシールを探すにしても一旦装着されているシールを取り外してサイズなりを測らないといけません。

 

本来こういったシールの類はいったん外すと再利用しないのがセオリーかと思いますが規格品が見つからなければ再利用も止む無しかと考えながら慎重にシールを取り外します。

 

ええ、取り外そうとしたんですが樹脂製のシールが劣化、硬化?していたのか崩れ落ちました....

↓残骸です。

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 ああ....これで交換部品が見つからなければ詰みですね。もう後戻りは出来ません。

 

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 何か情報は無いかと英語の説明書とインターネットの海を彷徨いましたがめぼしい情報はなし。サイズの合いそうなものを取寄せたりしましたが上手くはまらずでした。

 

結果ロックショックスなんかに使われているスポンジリングを装着してみるとしっかりと収まりました。

 

が、しかしそもそも素材が違うのでどうなのかと思いながら組み立て。

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最後に説明書通りの規定量オイルを入れまして一応形にはなりましたが、オイル漏れは治りませんでした。

 

車体をひっくり返してしばらく様子を見てみた段階ではオイルが流れ出てくるわけではないのでシールが全く効いてないわけではないみたいですが、負荷には耐えられないと....残念ながらこれでは使えません。

 

 

念のためにMTBに詳しいであろう某ショップ様にも問合わせをさせていただいたりしましたが、互換品の情報は無く...

街乗りメインで性能を追い求めないのであればオイルを抜いてしまうのもナシではないとアドバイスをいただきました。

このような何の得にもならない問合わせに丁寧にお答えいただいたショップ様には感謝しかございません。ありがとうございました。

 

最終的にはお客様とご相談の上、そんなにハードに使うわけではないからと、オイルをほぼほぼ抜いた状態で納車という結果になりました。

 

と、いうわけで残念なお仕事をしてしまったというお話でした。年式の古い部品、特にサスペンションフォークなんかは要注意ですね...

 

今回はお客様や某ショップ様の優しさに助けていただきましたが、いつか取返しのつかない事をやらかさない為にも安請け合いは禁物です。反省いたします。

 

とは言え、こういった事を経てノウハウが構築されるのもまた事実です。

ご迷惑をかけるつもりはもちろん無いのが大前提ですので、「よし、勉強させてやろう」という方がおられましたならまずはお気軽にご相談くださいませ。

 

よろしくお願いいたしますm(__)m

 

 

【ドクターサイクル】

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*自転車に関するお困り事、お気軽にご相談ください。

 

 

 

 

 

セカンドオピニオン。

お疲れ様です。ドクターサイクル店主でございます。

気付けば4月も中盤でして、色々と大変なご時世ですがぼちぼち、あくまでぼちぼちとやっております。

 

今回はセカンドオピニオンについてのお話を。

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先日パンク修理で持ち込まれた自転車(ごく普通の一般車)なんですが前輪を回すと「カラカラカラカラ~...」と結構気になるレベルで異音を発していました。

 

聞くところによりますと5年ほど乗られているそうですが購入から1年くらいで鳴り出したそうで、その時に購入店に相談されたそうですが「修理すると3万円くらい」「安全性には問題なし」との回答だったそうです。

で、結局異音が鳴るままに今まで乗り続けられているそうです。

 

これは....なかなかのお話ですね。

確かに修理料金というのは各お店が設定するものなので、この作業はあっちの店の方が高いとか、あの作業はこっちの店が安いとか色々ありましょう。

 

見積もりの段階で原因がよくわからない案件もありますので、あえてちょっと高めの値段をお伝えする事も確かにあります。

 

が、しかしこの案件は前輪が原因というのは明白。お店にとって手っ取り早く車輪を丸ごと交換したとしても当店なら1万円程度でお受け出来ます。

 

これはMAXで1万円かかるかも知れませんというお話で、もっと安く修理できる可能性も有ります。

 

 

ちなみに当店の場合であればまずはハブのグリス切れを疑います。

特に長年乗られている自転車なんかは内部の損傷やグリス切れで乾いた異音が発生してるのをよく見ます。(今回はわずか1年で鳴り出しているので可能性は低いですが)

 

ちょっと厄介なのは今回はハブダイナモ(ハブに発電機が入っているタイプ)であるという事です。

一般車によくついているシマノ製の「DH-2N40」というやつですが、シャフトを完全には分解出来ないんですよね。(厳密には不可能ではなく推奨されていない)

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ハブダイナモでない普通のハブであれば簡単にバラして掃除してグリスを詰めれば(必要に応じて部品交換)OKなわけですが、こちらは発電機が組み込まれてるので分解するにはハンダごてを使って配線を外さないといけません。

 

シマノさんは各部品ごとに分解図を公開してくれているのですがこのハブの軸に関しては分解図がありません。つまり分解は非推奨という事なんでしょう。

こんな感じ↓

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とはいえ分解が出来ないことはないのですが稀に配線がプチッと切れてしまうんですね。

そうなってしまうと完全にアウトでライトがつかなくなってしまいます。

それはちょっとリスクが高いので何とかハンダは外さず隙間を作ってグリスを注入。

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結果、異音は解消されませんでした^^;

残念ながらもっと内部的な部分で異音が発生しているようです。

 

ちなみにこのグリスアップの段階で無事解決であればせいぜい3000円ほどでしょうか。

 

次の段階としては上の分解図の青丸で囲った内部部品をごっそり交換するという手もありますがグリスを入れてもあまり変化が無かったので、おそらくは赤丸で囲ったシェル側に問題がありそうです。

 

と、いうことはハブ交換、つまりはホイールの組み換えが必要になります。こうなるとホイール組の工賃が掛かってくるのでホイール丸ごと交換と値段はそんなに変わらなくなります。組み換えた方が1000円くらい安いです。

 

まとめますと

①ハブのグリスアップ(~3000円、やや手間)

②ハブ内部交換(5~6000円、やや手間)

③ハブ交換(~8000円、そこそこ手間)

④ホイール交換(~10000円、簡単)

 

という感じになります。

 

今回のお客様の購入先は量販店のようですが、アルバイトさんだと技術にも個人差があるでしょうがホイール交換の場合、タイヤの交換が出来るなら何も難しくはないと思うんですが。

しかも今となってはどうしようもないですが、今回の場合は製品不良の可能性すらありますよねぇ。

 

世の中むちゃくちゃなクレームをつけて返品、返金をせまる人もいるようですし、そう思われるのも気ぃ悪いですがおかしいと思った事はちゃんと解決した方がいいですよね。

 

という事でセカンドオピニオンは大事というお話でした。

一応ですがこういう案件もあるというだけの話で何も当店が何でもかんでも他店様よりも安く修理をするというわけではございません。

 

ただ割と大きなお店では断られたという修理をちょこちょこご依頼いただく事もありますので、何かお困り事があればお力になれるケースもありますのでご相談いただければ幸いでございます。

 

では今回はこの辺で。

 

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空回る。

お疲れ様でございます。ドクターサイクル店主です。

 

今回もいただいたご依頼の紹介を。

 

店舗で働いた事のある方なら経験あると思うのですがお客さんの来られるタイミングって何故か重なりますよね。その日わずか2組だけだったご来店が同時とか。あ、グチとかではないです。いつでもご遠慮なくお越しくださいませ。

 

で、頂戴する作業の内容もなぜか重なる事があります。

ここ数日の間に連続したご依頼というのが『ペダルを漕ぐと空回る』というものでした。

 

常に空回りしているわけではなく、基本的には普通に漕げるけれどもたまにチェーンが外れたようにガクッと空回るという感じ。そしてその頻度が増えてきていると。

 

 

これはフリーという機構のトラブルです。

このフリー、どこにあるのかといいますと後輪のギヤの部分です。

車種、ホイールなどによって見た目は違いますが仕組みはだいたい同じです。

 

ママチャリ版

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開けてみると...

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以下写真の車種変わりますが、分解していくとギヤ内部にギザギザと爪があります。

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通常はペダルを漕ぐとこのギザギザと爪が噛み合って前進できます。ちなみにペダルを逆回転させてもバックしないのはこれが噛み合わず爪の上をギザギザがチッチッチッといいながら滑っていくからです。

 どうでしょう?イメージ出来ますでしょうか?ギヤを右へ回すと爪に掛かるけど、左へ回すと爪に掛からないですよね?

 

で、さらに部品を外してみるとこんな感じです。

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 ハブ側に爪がついています。

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ギヤ側にギザギザがあります。

 逆にハブ側にギザギザがあってギヤ側に爪がついてるのもあります。

 

 

スポーツタイプ等、変速付き版。

たくさんついてるギヤを外すと

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こんな部品が出てきます。この黒い筒みたいのがフリーです。

この中にママチャリ版同様に爪とギザギザが入っています。こちらは基本的に分解不可です。

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同じメーカーでも取付部分の形状が違ったりします。

で、結局この空回りの原因がなにかといえば、大抵の場合は爪やギザギザについてるオイル(グリス)が古くなったりして上手く動かなくなるという事です。

 

なので分解してお掃除して新しいグリスを塗ってあげればだいたい復活します。

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ですが爪やらギザギザの破損があったり、分解出来ない仕様の部品もありますし、直し方も色々でございます。分解メンテで治る場合もあれば、部品の交換が必要な場合もありますし、最悪はホイールごと交換が最善の方法になる場合もあります。

 

この症状で持ち込まれる自転車達は長年乗られている場合が多く、結構な確率で他にも色々な不具合を抱えていたりします。

ので、あれやこれやと修理代を見積もっていくと「新しいの買えるやん」となったりしますがご要望があれば修理させていただきます!

 

と、いうお話でした。ではまた次回に。

 

【ドクターサイクル】

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