お疲れ様です。久々に晴れましたね。かといって忙しくなるわけでもない、ドクターサイクルでございます。
今回はまだ店内にストーブを出していた頃にいただいたご依頼の紹介などをしてみようかと。
コチラです。
「f.moser」とありますね。グーグルさんに聞いてみると名のある自転車のようです。
パッと見ぃでも結構傷んでおりますね。
お客様いわく知人様からの頂き物だそうで、かれこれ20年とか?その位放置されていたようでして車体自体はもっと古いものです。
コチラをメンテナンスしてとりあえず乗れるように出来まいか?というご依頼でした。
もうちょっと見てみましょう。
フロントフォークやフレームの錆がなかなかひどいですね。
タイヤは前後ともパックリ割れています。チューブラータイヤでした。
ロードバイクとかの世界では常識なんでしょうが、なんていうんでしょう、タイヤが縫い付けてあって、その中にチューブが入っているやつです。
ホイールには専用の糊やテープを使って接着します。が、すでにはがれてますね。
出ました。カンパニョーロ。自転車好きな方には言わずもがなのメーカーです。
ちなみにワタクシの勝手なイメージで何故かギターに例えてみると、フェンダーとかギブソンみたいな、さほど興味の無い人でもそこそこ知ってるメーカーっていうのは自転車で言うと「シマノ」ですよね。
で、カンパニョーロっていうのはギターで言うと多分グレッチとかリッケンバッカーみたいな?超有名メーカーなんですけども、その世界に興味がなければ全く知らない、でも好きな人は憧れるちょっとお高いメーカーみたいなイメージでしょうか。以上です。異論があればすいません。
なんにせよ錆やら汚れがなかなか溜まっている状態です。「完璧に再生せよ!」というご依頼ならばお引き受けできたかわかりませんが、「とりあえず乗れる状態に」という事でしたのでお引き受けいたしました。
何はなくともバラして掃除ですね。
あまり出番の無い工具も今回は役に立ちました。
タイヤは新しいのを張り付けるので古くなって朽ち果てた糊を地道に削ぎ落します。
あんまり写真がないですが、分解してみると意外と内部は綺麗なものでグリスアップしてみると普通にスムーズに動くようになりました。
それが高級パーツたる所以なのか前オーナーがあまり乗られてなかったのかはわかりませんが。
外側の錆も磨けば結構きれいになったんじゃないでしょうか。
そんなこんなで完成。塗装のスキルは持ってませんので限界ありますがまあまあいい感じに持っていけたんじゃないでしょうか。サドルはお客様の持ち込みです。
消耗部品はほぼほぼ総とっかえでしたが内部の回転系の部品は交換なしで済みました。
残った問題としましては変速をするとトップギヤだけ歯飛びがするという事ですね。
後輪のギヤを交換すれば治ったのでしょうが、この時代の後輪のギヤはボスフリーでして当時の高級パーツなんでしょうか?74デュラエース(シマノの最高級グレード)でした。
ちなみにボスフリーというのは今ではシティサイクルなんかについてる6段とか7段変速の形状やつです。街中ではよく真っ赤っかに錆びてるのを見かけます。
流石にそれに交換というのは気が引けますし、今でも売ってるボスフリーだと、そのシティ車用の安価なものか、通好みの結構高価なものになるのでお客様に相談しますと「とりあえず乗れるならそのままで」との事でしたので、問題は残りましたが無事納車となりました。
という感じでこんな作業は全然嫌いではありませんので長年眠っている自転車を叩き起こしたいとか、そんなご依頼も大歓迎でございます。そこそこ工賃かかりますけど...
あと今回は唐突に自転車の部品をギターに例えてみましたが、わたくし中学生くらいからギターをかじっておりまして、自転車業よりも歴は長かったりします。
で、日々仕事で自転車の規格やらメーカーやら色んな事を調べたりしてるとわけがわからなくなったりするんですよね。
そんなある時にカンパニョーロってグレッチみたいなもんか?とか思ったら腑に落ちたというか。もちろんその性能は素晴らしいでしょうし、実用性としてそれらを必要とする人もいれば、ただ単純に憧れとか造形美として欲する人もいるという事で。
どんな世界でも掘り下げれば奥は深いでしょうし、その反面案外単純だったりもするんでしょうね。はい、まだまだ勉強してまいります。
では今回はこの辺で。
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