お疲れ様です。京都は四条大宮より自転車修理のドクターサイクル店主でございます。
パンク防止剤について書いてみようと思います。話題としては1000番煎じ、いやもっとかと。
皆さまパンク防止剤というものをご存じでしょうか?SNSや自転車屋さんのブログなんかでは結構言及されているのですが、何それ?って方も多いと思います。
どんなものかといいますと
このように緑色の液体です。チューブの中に入れておくとパンクした際にこの液体が穴を塞いでくれる優れもの。というテイになってます。
某全国規模の大型チェーン店さんで販売された自転車には注入されており、きっと新車販売時にマク○ナルドのポテトよろしく「ご一緒にパンク防止剤はいかがでしょうか?」てなものなんでしょう。値段とかは知りませんが1000円程度?のものじゃないかと思われるので、この防止剤を使用しているお客さん自身忘れている方が多いです。
で、この忘れられたパンク防止剤の存在にいつ気付くのかといいますと、パンクした時です。
え?パンク防止剤....そう、使っててもパンクはするのです。しかもパンクした時にはこの液体が漏れたり飛び散ったり、グチャグチャになって悲惨です。
ちなみに当店では防止剤入りのチューブは説明をさせていただいた上で即交換で対応させていただいております。理由は後述。
はい、ここからが本題というか大事な事なんですが、パンクは何故するのかご存じでしょうか?
大半の方が持たれているイメージでは何か画鋲的なものを運悪く踏んでしまったケースだと思います。
ところが日々パンク修理をしているお店からすると、何かが刺さってパンクしているケースというのは10件中、多めに言ってもせいぜい2~3件といったところです。
じゃあその他大半の原因は何かといえば、空気不足に起因します。
そう、ちゃんとチューブに空気を入れていないとパンクするんです。
空気が減るとタイヤが元々装着されていた位置からズレるんです。するとどうなるか。タイヤはズレるけど、中のチューブは空気入れのバルブが固定されているので動けずにタイヤに引っ張られて折れたり、曲がったり、捩じれたりします。
なんとなく想像出来るでしょうか?タイヤの中でグチャグチャになったチューブに気付かずそのまま空気を入れたり、使い続けたりするとチューブが傷付き、どんどんボロボロになったりバルブがもげたりもします。
他にも空気が少なくなると段差の衝撃を受けて穴が空く事がありますね。
で、パンク防止剤に話を戻します。
これまでもたくさん防止剤入りの自転車を診て来ましたが、ボロボロになったチューブには機能していませんし、なんならこの液体が邪魔をして通常のパンク修理が困難になります。上手く補修パッチがひっつかなくなったり、中途半端に機能を発揮して補修箇所の特定が確実じゃなくなる為です。これが当店が即交換する理由になります。
もし、どーーしても防止剤入りのチューブを交換でなく修理をしてほしい!という方がいらっしゃるなら、一旦チューブを取り外し、防止剤を洗い流してから補修をする必要がありそうですので、作業の手間を考えるなら新品チューブに交換するより高い料金を頂く事になりそうです。そんなアホな料金は設定してませんが。
一応パンク防止剤を擁護しておくなら、防止剤が機能するのは何かしら異物が刺さった時なんであろうと想像出来ますね。
ただ防止剤が機能してる内は修理に持ち込まれる事も無いわけで、防止剤が頑張っている姿を僕は見る事が出来ないわけです。
と、いうわけで効果を発揮していないケースを多々見かけるが機能しているケースを見たことが無い防止剤。
もし自転車を購入する時にお薦めされたなら、店員さんが詳しくデメリットまで説明してくれてお客さん自身が納得出来るなら購入すればいいでしょう。
ただ、この防止剤を入れておくとパンクしません!などというセールストークが飛び出すならそれは嘘なので止めておきましょう。ただの詐欺です。
色々書きましたが結論は定期的な空気入れが何よりのパンク防止。何か踏んでしまった場合は運が悪かったと諦めてください。というお話でした。
【ドクターサイクル】
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